直訳すると「顔に!」という意味ですが、実際には顔とは関係がありません。
この表現は、驚き、皮肉、感嘆、そして時には挑戦や誇りを込めて使われます。
イタリア人がどんなふうに感情を込めて話すのかを知るには、この表現がぴったりです。
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「Alla faccia」とはどういう意味?
Alla faccia は状況を強調する言葉で、「あまりにも〜すぎて、誰かの顔に投げつけるようだ」というニュアンスがあります。
そのため、di + 名詞を伴って使われることが多く、例えば
alla faccia di chi non ci credeva(「信じなかった人の顔に!」=「ほら、見たことか!」)や
alla faccia del risparmio(「節約の顔に!」=「どこが節約なの?」)などがあります。
単独で使うときのAlla faccia! は、「すごい!」「まさか!」という驚きの表現になります。
1. 驚き – 「Alla faccia, che notizia!」
驚きや感動を表すときに使われます。英語の “Wow!” に近いです。
Alla faccia, hai preso 100 su 100 all’esame! → 「すごい!試験で満点を取ったの?」
Alla faccia, che vista! → 「うわ、なんて景色!」
表情は眉を上げて笑顔。自然で喜びに満ちたリアクションです。
2. 皮肉・冗談 – 「Alla faccia del risparmio!」
皮肉を込めて「全然〜じゃないね」という時に使います。
Hai detto che volevi risparmiare, e ti sei comprato una Ferrari… alla faccia del risparmio!
→ 「節約したいって言ってたのにフェラーリを買ったの?どこが節約なの?」
また、Alla faccia della dieta!(「ダイエットの顔に!」=「どこがダイエット?」)のようにも言います。
ユーモアを交えた、明るい皮肉です。
3. 挑戦・誇り – 「Alla faccia di chi non ci credeva!」
誇らしげに「どうだ!」という意味で使われます。
Abbiamo vinto! Alla faccia di chi diceva che non ce l’avremmo fatta!
→ 「勝ったぞ!できないって言ってた人たちに見せてやれ!」
イタリア人らしい情熱と誇り、ちょっとした反骨精神を感じさせる表現です。
4. 強調・スケールの大きさ – 「すごい量!」
Alla faccia は量や規模の大きさを強調する時にも使われます。
Alla faccia del traffico – tre ore per dieci chilometri!
→ 「なんて渋滞!10キロ走るのに3時間も!」
Alla faccia dei compiti: quattro capitoli da leggere per domani!
→ 「宿題多すぎ!明日までに4章も読まなきゃ!」
「Alla faccia」を使った会話例
カフェで:
— コーヒーに3.50ユーロ払ったよ。
— Alla faccia! それ、サンマルコ広場のカフェ?
試験のあと:
— 30点満点+優秀賞だった!
— Alla faccia, おめでとう!
物価の話:
— 家賃が15%上がったんだ。
— Alla faccia del caro vita!(「物価高の顔に!」=「物価やばいね!」)
文法のポイント
- 単独で: Alla faccia! = 「すごい!」「まさか!」
- di + 名詞: alla faccia di ~ → 誰かに対しての挑戦や皮肉
- del/della + 抽象名詞: アイロニー表現 → alla faccia del risparmio
- 文体: カジュアル。日常会話やSNS、テレビなどでよく使われる。
ジェスチャーとトーン(話し方)

イタリア語は「体で話す言語」とも言われます。
Alla faccia を使う時の典型的な仕草は次の通りです:
- 驚き: 眉を上げて目を見開き、笑顔。
- 皮肉: 首を少し傾けて軽く笑う。
- 挑戦: 顎を上げて力強いトーンで。
文化・映画・音楽の中の「Alla faccia」

イタリア映画や音楽の中にも「alla faccia」を感じさせる瞬間があります。
例えば、ロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』の笑顔は「alla faccia della paura(恐怖なんて関係ない)」そのもの。
また、バンド「マネスキン」のステージにはいつも「alla faccia di chi non ci credeva(信じなかった人の顔に!)」というエネルギーがあります。
地域と使い方の違い
- イタリア全土で使われる表現。
- 北イタリアでは皮肉っぽく、南イタリアではより感情的に使われる傾向。
- フォーマルな場では使わないが、会話やメディアでは非常に一般的。
よくある間違い
- 直訳して「顔に」と理解すること(意味は「すごい!」や「まさか!」)。
- フォーマルな場で使うこと(会話専用表現)。
- diを忘れること。→ 正しくは alla faccia di。
なぜ「Alla faccia」のような表現を学ぶべき?

Alla faccia のような表現を覚えると、単なる文法や語彙を超えて、イタリア語の「感情」「ニュアンス」「文化的背景」を理解できます。
それこそが本物のコミュニケーション。
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